バロック音楽はオペラの誕生と共に始まる。その最初期である1607年に初演の『オルフェオ』こそは、天才モンテヴェルディが革新性を高らかに宣言した傑作と言えよう。 ただしこのオペラは、まだレチタティーヴォとアリアの厳格な区別はなく、歌うような語りの連続で構成されている。ゆえに現代の私たちには、いかに説得力を持った「歌」として聴かせてくれるかが演奏家に問われる作品でもあった。 濱田芳通とアントネッロにかかる期待は、この点で実に膨らむ。これまでのヘンデルやバッハでも、彼らは常に作品に新たな生命を吹き込む鮮烈な演奏を繰り広げてきた。この度も即興性と躍動感に加え、抜群の歌心を加えたパフォーマンスになるはずだ。

25/2/15(土)