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映画から自分の心を探る学びを
伊藤 さとり
映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)
プロジェクト・サイレンス
25/2/28(金)
新宿バルト9
『新感染 ファイナル・エクスプレス』の脚本家と『神と共に』の監督による共同脚本。そして『パラサイト 半地下の家族』の撮影監督という無敵の組み合わせ。そこでメガホンを執るのは脚本にも加わっている新鋭キム・テゴン。しかもキャストも魅力的。今は亡きイ・ソンギュン(『パラサイト 半地下の家族』)とチュ・ジフン(『神と共に』)が凸凹コンビとなり、霧のかかった橋の上での想像を絶する危機と対峙するのだ。 まるでスティーヴン・キング原作の映画『ミスト』のような緊張感。けれど韓国映画らしく情熱が波打つストーリーで、様々な危機を乗り越えていくのだが、その度に、ひとり、またひとりと消えていくゾンビ映画的な悲しい別れが待ち受けている。特に本作の素晴らしい点は、橋の上というワンシチュエーションでありながら、濃霧により視覚的マジックが起こり、フィールドが広範囲に思える点だ。どこから襲って来るかわからない敵を巻いて、脱出を図ろうとする人々の人間関係もドラマティック。ここにコメディ要素を取り込むのが韓国。その役目を今回はチュ・ジフンというのも好感度が高い。
25/2/19(水)