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時代と向き合う映画を鋭い視点で紹介
佐々木 俊尚
フリージャーナリスト、作家
Flow
25/3/14(金)
TOHOシネマズ 日比谷
ラトビア発のアニメ作品で、各地の映画賞を総なめにしている。大洪水に襲われた世界で、一匹の猫が流れてきたボートに乗り移り、他の動物たちと一緒に流されながらも少しずつ心を通わせあい、生き残ろうとしていく姿を描いている。 最新のCGアニメのような高解像度ではなく、少し前のテレビゲームのようなグラフィックで、それが観る者をロールプレイングなどのゲーム空間に入り込んでいるかのような幻惑を与えている。洪水に沈んでいく街や森の背景はとても美しい。主人公のネコをはじめとする動物たちの描写も、ピクサーとかでよくあるような過度な擬人化されたキャラクターにはされておらず、動作などが気持ち悪いほどに非常にリアルな動物そのもので、それが逆に好感を抱かせる。最後はただただ感動。だれにでもオススメできるよい作品だ。
25/3/3(月)