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「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画を紹介します
LiLiCo
タレント、映画コメンテーター
プレゼンス 存在
25/3/7(金)
TOHOシネマズ 日比谷
ある大きなお屋敷に、4人の家族が引っ越してきます。その一家の娘クロエは、屋敷の中に何かいると感じてしまいます。実は“それ”は一家が引っ越してくる前から屋敷にいる存在で、しかも“それ”は一家の秘密を目撃。クロエは母にも兄にも好かれておらず、疎外感を感じている少女でした。そんな彼女に“それ”は親近感を抱き始めて……。え? 人が主人公じゃないの!?と驚かされた新感覚ホラーです。 最初から「これ、いったい誰目線?」という描写で始まり、次第に“それ”が主体となっていることが明らかに(これを聞いてもネタバレじゃないから安心して!)。幽霊ものっぽいんですが、それとも違う。たしかに“それ”はゴースト的存在ではあるんですが、得体のしれない恐怖を与える存在ではなくて、一家にある不穏さを浮き彫りにするために存在するんです。いわば幽霊モノではなく、ヒトコワ。 屋敷のインテリアはとてもかわいいのに、そこに暮らす一家がめちゃくちゃなんですね。ルーシー・リューが演じる母レベッカは息子のことしか気にかけておらず、それを傍観する父親はどうやって彼らとの距離を取ればいいのか分からない。で、クロエはひとりぼっち、というむちゃくちゃな家族。 しかもクロエは難しい年頃の女の子なので、抱えている闇も深くて……。と、この一家を見つめる“それ”が、クロエに対してどうしていくのか。そしてこの一家に何をするのか。ホント意外な展開と強烈なオチに声が出ちゃいますよ。
25/3/8(土)