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政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

教皇選挙

ローマ教皇には何年と定まった任期はない。基本的に、終身だ。教皇が亡くなると、選挙で次の教皇が選ばれるが、その選挙権を持つのは何億人もいるカトリック教徒のなかで100人ちょっとしかいない。しかも、女性は参加できない。 国際政治にも影響力を持つローマ教皇だが、その選び方は、前近代的だ。あくまで宗教団体のトップを決める選挙なので、民主主義も男女平等もないし、コンプライアンスも公職選挙法も関係ない。 この密室での謀議である教皇選挙を徹底的にリサーチして書かれたフィクションの映画化で、陰謀と謀略のドラマとしては、楽しめる。 アメリカ大統領選挙より、自民党の総裁選挙に近い、腐敗堕落ぶり。 有力候補のひとりは過去の女性スキャンダルが暴かれ、多数派工作の駆け引きもあれば、謎めいた候補者も登場する。フィクションの常道として「意外な展開」があるとしたら、多分、この人が当選するんだろうなというのは、途中で見当がつく。実際、その通りになるのだが、さらにどんでん返しが待っていて、最後まで気が抜けない。ミステリアスな雰囲気に満ちたスリルとサスペンスの娯楽映画。

25/3/19(水)

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