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政治からアイドルまで…切り口が独創的
中川 右介
作家、編集者
山田くんとLv999の恋をする
25/3/28(金)
TOHOシネマズ日比谷
まず連絡事項。エンドロールのあと、後日譚が描かれるので、最後まで席を立たないように。 アニメにもなっている人気コミックの実写映画化。ネトゲ(ネットゲーム)をやるのは男子のみだろうと思っていたら、かなり古い。 自分ではネトゲをしたことのない世代が、いまどきの若者を知るのに、いい映画。 物語は恋愛ものの王道で、「最悪の出会い」をした男女が、やがて親しくなっていくというもの。知り合うのがネトゲというのが、現代風。 山下美月演じる大学生は恋愛をしていないと気がすまないタイプ。彼女が失恋したところから物語は始まり、作間龍斗が演じる高校生プロゲーマーと出会う。彼はいつも無表情だが、不機嫌というわけではなさそう。さらに彼は学校でもモテるのだが、一度も恋愛経験がない。というより、恋愛そのものに関心がないと言う。 おせっかいな親友がいて、恋のライバルが現れて、ふたりの距離は近づいたかと思うと離れたりして、彼が恋愛に無関心なのには理由があって……という、ラブコメの古典的様式に従って物語は進む。 山下美月と作間龍斗は、この古典的ラブコメを奇をてらわずにストレートに演じている。それがかえって、新鮮。 世代によって恋愛観は変わると言われるが、こういうラブコメがいまも人気があるのだから、世の中、あまり変わってないのかもしれない。
25/3/21(金)