“広上淳一と日本フィルがヴェルディのオペラ『仮面舞踏会』を演奏” このところ、オペラの演奏会形式上演が流行る。妙にひねくった解り難い演出に気を取られて耳がおろそかになるより、音楽そのものをストレートに楽しむことのできるという点で、演奏会形式でオペラを「聴く」のも悪くない。今回は、広上淳一が日本フィルを指揮して、ヴェルディ中期の名作歌劇『仮面舞踏会』を演奏する。ただ、高島勲の演出により、ステージにいろいろ趣向が加えられるというが、これはいい意味での面白さになるだろう。 ストーリーの概要は、ボストンの総督リッカルド（宮里直樹）の忠実な部下レナート（池内響）が、妻アメーリア（中村恵理）と総督との秘密の仲を知り、一転して怒りに燃え、総督暗殺を謀る━━というもので、音楽はヴェルディ特有の美しさとスピーディな劇的迫力に富んで親しみやすい。不気味な占師ウルリカ（福原寿美枝）と、軽快な小姓オスカル（盛田麻央）を加えた主要歌手陣も充実の顔ぶれだ。

25/4/17(木)