評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
クラシック公演の魅力をやさしく解説
田中 泰
音楽ジャーナリスト
《METライブビューイング2024-25/ベートーヴェン『フィデリオ』》
2025年4月25日(金)公開
東劇
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)の最新ステージを、映画館で楽しむMETライブビューイングのシーズン第5作は、ベートーヴェンが遺した唯一のオペラ『フィデリオ』だ。 モーツァルト共々、クラシック音楽のすべてのジャンルにおいて最高の作品を遺したベートーヴェンが、最も苦戦したのがオペラだ。その理由は、モーツァルトのようなお気楽な喜劇が絶対に書けなかったからだ。「自由・平等・博愛」といった理想を掲げ、作品にもその思いを反映させてきたベートーヴェンが、その思いをふんだんに盛り込んで完成させたオペラこそが『フィデリオ』だ。しかしその作曲は困難を極め、冒頭に置かれる序曲などは、4つ目にしてようやく決定。しかし選外となった3曲の序曲がすべて名曲として今も演奏されているところがベートーヴェンの凄さでもある。 努力の結晶をとくとご覧あれ!
25/4/15(火)