鈴木亮平が妹の結婚であたふたする兄役を好演。笑って、笑って、涙した。
これは記憶をめぐる物語。記憶を失う(記憶喪失)、記憶がなくなってゆく(認知症)、なぜか覚えている(パラレルワールド、輪廻転生)など“記憶ドラマ”にはいくつかのパターンがあるが、そのどれでもない。理由もないのに人の記憶と体験が自分のものになると言う【記憶乱入型】だ。
鈴木のキャラは、人情味溢れていて、単細胞! でも温かくて、一生懸命一途に生きてる。ん? どこかで見たことが……そう! 寅さん! この映画自体が『男はつらいよ』の構造で作られていると感じた。さくらもリリーもタコ社長も皆いる! だから、面白い。そしてラスト、鈴木の熱演に幸せな気持ちになれた。