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恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今

レネー・ゼルウィガーがタイトルロールを演じるロマンティックコメディのシリーズ4作目にして「完結編」。最初の2作では30代独身。前作で40代での妊娠、出産を経て花嫁になったブリジットは、9年ぶりの今作では、ふたりの子を持つシングルマザーになって登場。夫マーク(コリン・ファース)とは死別。なかなか立ち直れずにいたブリジットの再始動から映画はスタートする。仕事復帰、思いがけない新しい恋。再び身辺があわただしくなったブリジットの物語が、重ねて来た歳月を生かして、絶妙なあんばいで描かれていく。 自分の不完全さを自覚しつつ、人生ときちんと格闘。笑える失敗も、かっこ悪い姿も見せてきたブリジットは、本作でも相変わらず。けれども、若い頃よりもたくさんのものを背負っている。マークのこと、子供のこと、自分自身の年齢のこと……。年下の恋人(レオ・ウッドール)の「タイムマシンがあれば」という言葉がぐさりと来ることもある。でも、自分の現在をブリジットは全部受け止める。これまでもそうしてきたように。その笑顔に浮かぶシワのなんとチャーミングなこと。今回のブリジットが一番すてきに見える。ゼルウィガー自身、前作の頃よりも魅力的に思える。 いろいろあった元上司のダニエル(ヒュー・グラント)や友人たち、子供たちの学校の新しい先生(キウェテル・イジョフォー)も登場。さまざまな現実を描きつつも、いざラブシーンとなれば完璧にロマンティック。だてに長くやっていない、手練れの映画だ。もっと、ずっと続けばいいのに。

25/4/3(木)

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