評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ジャンル横断、センスのいいセレクト
立川 直樹
プロデューサー、ディレクター
ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男
25/4/11(金)
ヒューマントラストシネマ有楽町
1933年のヒトラー首相就任から1945年にヒトラーが亡くなるまでの間、プロパガンダを主導する宣伝大臣として、国民を先導していたヨーゼフ・ゲッベルス。「希代の悪人を知らなければ、現代の扇動家たちの正体を暴くことはできない」とコメントしているヨアヒム・A・ラング監督は入念なリサーチに基づき、ゲッベルスの驚きの発言や行動、ヒトラーやナチ幹部たちの恐るべき会話など、裏側の実態を描き出し、その半生と戦略を暴き出し、重量感のある傑作を作り上げたが、ドイツ語圏で最も多才な俳優のひとりと言われるロベルト・シュタットローバーは完全にゲッベルスになりきり、他の俳優たちの演技もほぼ完璧と言える域に達している。証言者を含め、過去の映像の使い方もうまいし、映画自体がフェイクニュースが量産される現代社会への見事な警告になっている。
25/4/11(金)