評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
ミステリアス・スキン
25/4/25(金)
WHITE CINE QUINTO
いま再評価の波が来ているグレッグ・アラキが、幼少期に同性である大人の男性から性的被害を受け、心に傷を負った少年たちのその後の人生を描く。傷の表れ方は人それぞれだ。自分を虐待した男に協力的な態度を取る少年も、被害者を増やす問題行動ではあるが、ある種の自衛本能がそうさせるのかもしれない。性行為は愛によるもので、自分も望んだと思わなければ、心が粉々に砕かれてしまうから、みずからを騙すようにふるまうのだ。また、ある少年は記憶自体を抹消してしまい、それが宇宙人による誘拐だと思い始めて過去の真実に近づいてしまう。しかし思いださなければ記憶を受け入れることもできない。こういった恐ろしい大人たちを、出来る限り子どもから遠ざけるにはどうしたらいいのだろうか。
25/4/25(金)