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水先案内人のおすすめ

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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

けものがいる

実験的でセンセーショナル。かつアートのような構図が美しい。脚本は不安的なようで緻密。この感覚があまりに心地良くいつまでも観ていたい物語だった。いや、レア・セドゥと『1917 命をかけた伝令』のジョージ・マッケイの彫刻のような美しさと魅惑的な演技に魅せられたのも間違いなく理由のひとつだろう。 過去と未来を行き来する物語が仏教の“輪廻転生”をも意味しており、そこにSFが混じるというユーモア溢れる脚本のお陰で、衣装やセットもその時々に苦労を重ねたことが伺える。ただし、大体が限られた空間を利用しての会話劇なので、やや舞台的な作りなのも面白い。会うべき相手なのか、会ってはいけない相手なのか、運命を変えてしまうほどの相手だからこそ何度も再会するのだが、この宗教観がフィクションを綴る映画にはとても似合うのだ。終始、ミステリアスでポエティックで危険な香りに包まれた世界観に酔いしれていた。

25/4/18(金)

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