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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み

真魚 八重子

映画評論家

#真相をお話しします

原作は結城真一郎の中篇5作からなる大ヒット小説。この映画は小説をうまく数珠つなぎにして包括し、新たに大きなスケールを作り上げている。内容は人コワ系で日頃から不安を感じる出来事──各自宅に営業に赴く仕事の安全性、マッチングアプリに異常者がひそんでいないかという恐怖──そういった感覚がツイストの効いたストーリーで展開していく。映画全体を貫いているのは、匿名性を持った人間の無責任さや、冷酷さへの訴えである。監督の豊島圭介はそれらの匿名の人々にターゲットを絞り、自己を振り返る機会を与える。ネットは動物の可愛らしい姿や、優しい人道的な物語も伝えてくれるが、時に信じ難くおぞましい事件を引き起こす。我々にネットが使いこなせているかを、今一度問いかける作品だ。

25/4/16(水)

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