評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ジャンル横断、センスのいいセレクト
立川 直樹
プロデューサー、ディレクター
It’s Not Me イッツ・ノット・ミー
25/4/26(土)
ユーロスペース
第77回カンヌ国際映画祭でカンヌ・プレミア部門正式出品として上映され、高い評価を得たというレオス・カラックス監督の『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』は従来の映画の文脈の中で語ることはできないものだ。イメージと音の奔流、間断なく入る文字と声と音楽。次々と引用される映画と写真に動画。カラックスの記憶と思考の中に吞みこまれてしまう、魔法のような42分は、ル・モンド紙が「五つ星・傑作」としたのを始め、「ゴダールの精神的後継者による心揺さぶるエッセイ」「カラックスのとてつもない宇宙」と高く評価されたが、パリのポンピドゥー・センターでの企画展が予算が膨らみすぎて実現不可能になり、その展覧会の代わりとして、こんなに凄いものが生まれたことに心から感動。久しぶりに“正しい芸術作品”と出会えた喜びに心が震えた。
25/4/22(火)