日本を代表するチェンバリストによるバッハ主要作品を演奏するシリーズの8回目。今回と次回で平均律クラヴィーア曲集第2巻全曲を演奏する。奏者曰く「私がチェンバロと出会うきっかけとなった曲集」であり、「10回のシリーズの中で一番好きな曲集」で「一生を捧げたいと思える曲集」なのだそうだ。 これほどに思い入れのある作品を奏でるのは、今回もデヴィッド・レイが製作した18世紀フレンチモデルの華麗な楽器、通称「白さま」である。その外観と同じように紡がれる音は華やかで、彼女が弾くとバッハの綿密に組み立てられた前奏曲やフーガが特別な輝きと密度に満ちた音楽となる。 バッハの宇宙を実感する作品を、特別な響きで堪能しよう。

25/5/5(月)