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現代作曲家の立場で分かりやすく紹介

三枝 成彰

現代作曲家

ハビエル・カマレナ

ハビエル・カマレナさんはいま世界の注目を集めるテノール歌手。“21世紀のキング・オブ・ハイC”の異名をとるほどの超絶技巧の持ち主です。メキシコのご出身でデビューから20周年を迎えたカマレナさんですが、その持ち味は歌える方が限られている声域である“ハイC”を誇る高音です。加えて彼の場合は力強さもあり、精緻な表現もお手のものだそうで、5月15日(木)に東京・初台の東京オペラシティ コンサートホールで行われる日本で初めてのリサイタルには期待が高まっています。 彼を一躍スターの座に押し上げたのはニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)での舞台です。ロッシーニの『ラ・チェネレントラ』やドニゼッティの『連隊の娘』などで難役をつとめあげ、METの75年間の歴史上、もっとも長いアンコールに応えました。彼のほかにいままでアンコールを受けたのは、いずれも名テノールとうたわれたルチアーノ・パヴァロッティとファン・ディエゴ・フローレスの2人だけといいますから、いかにカマレナさんが劇場の空間を自分の色に染め、聴衆の心をつかんだかがわかるでしょう。 以前には團伊久磨さんのオペラ『夕鶴』を日本語で歌ったこともあるというカマレナさんは大の日本びいきだそうで、日本のファンに会えるのを心待ちにしているとか。今回のソロコンサートではもちろん、彼の存在を世界の音楽ファンに知らしめたドニゼッティのオペラ『連隊の娘』より「ああ!友よ!なんと楽しい日!」(ハイCが連続9回出てきます)、同じく『ランメルモールのルチア』より「わが祖先の墓よ」、『ラ・ファヴォリート』より「王の愛妾?・・・あれほど清らかな天使」、ロッシーニの『チェネレントラ』より「必ず彼女を見つけ出す」が披露されます。 そして最近、彼自身が力を入れているのがフランス・オペラだそうで、グノーの『ロミオとジュリエット』より「あぁ、太陽よ昇れ」、マスネの『ウェルテル』より「春風よ、なぜ目覚めさせるのか」などが演奏されます。指揮は園田隆一郎さん、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。オペラや声楽がお好きな方はぜひお運び下さい。

25/5/2(金)

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