評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
現代作曲家の立場で分かりやすく紹介
三枝 成彰
現代作曲家
千住家の軌跡
25/5/10(土)
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
ヴァイオリニストの千住真理子さん、日本画家の千住博さん、作曲家の千住明さんとは、いずれも親しくさせていただいています。博さんには2017年の私のオペラ『狂おしき真夏の一日』の美術を手がけていただきましたし、明さんには昨年12月に私が企画して行ったコンサート「哀しみのモーツァルト」のためにモーツァルトの“トルコ行進曲”をアレンジしていただきました。もちろん真理子さんとも何度もステージでご一緒しております。 ご承知のとおり「千住3兄妹」は、稀にみる才能と努力をもって日本画家、作曲家、演奏家として活動され、際立ったお仕事をされてきたお三方です。そのお三方がコラボレーションする機会がいままでほとんどなかったことが不思議でしたが、5月10日(土)に東京・初台の東京オペラシティ コンサートホールで行われる「千住家の軌跡」に際して、真理子さんが綴られたメッセージを読んで納得。 「『自分の道を極めよう。同じ芸術という山を、別々のルートで登るのだ。』それが2人の兄との約束だった。『千住3兄妹』と一括りに扱われがちだった私たちは、『個で認められるまで』とあえて3人での共演をしないように、それぞれがつとめてきた。」 今回のコンサートは、そのお三方の芸術が一体となって披露されるまたとない機会です。真理子さんのデビュー50周年のタイミングで25年ぶりに実現したというこの公演では、博さんの日本画がステージに投影され、明さんの指揮、真理子さんのヴァイオリンによる、明さん作曲の「ヴァイオリンとストリングオーケストラの為の『彩霧』」と「ヴァイオリンとストリングオーケストラの為の『四季』」を聴かせて下さるそうで、とても楽しみです。共演は真理子さんが最も信頼をおいておられるN響メンバーによる弦楽アンサンブルの皆さん。
25/4/26(土)