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大人目線のクラシック通
樋口 裕一
作家
東京都交響楽団 第1021回定期演奏会Bシリーズ
25/5/16(金)
サントリーホール 大ホール
目覚ましい演奏を聴かせてくれるポーランドの俊英指揮者クシシュトフ・ウルバンスキが今回取り上げる曲はすべて戦争の悲惨と平和への祈りに基づく曲といえそうです。 ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」は広島の原爆犠牲者に捧げられました。厳かで悲劇的な曲で、同じように戦禍に苦しんだポーランド人の心が伝わります。ショスタコーヴィチの交響曲第5番は戦争の悲惨と人間の勝利を描いたものと言えるでしょう。ロシア出身の注目のピアニスト、アンナ・ツィブレヴァの独奏によるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番は、戦後、子どもとの平安を祈るようにして書かれた曲です。 ウクライナ戦争を身近に感じているポーランド人の真摯な平和の祈りが込められたコンサートになるでしょう。
25/5/8(木)