評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
お気に入り映画をイラストで紹介
高松 啓二
イラストレーター
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界
25/5/9(金)
TOHOシネマズシャンテ
元VOGUE誌のモデルで写真家マン・レイのモデル兼アシスタントを経て従軍記者となったリー・ミラー。本作は第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線でのミラーの記録を描く。ミラーの写真は、戦場、パリ解放後のナチス協力者へのリンチ、ダッハウ強制収容所などが劇中で映される。特にヒトラーのアパートの浴室での写真は細部に至るまで再現されている。 主演でプロデューサーであるケイト・ウィンスレットの、くわえ煙草でローライフレックスカメラのウエストレベルファインダーをのぞく姿は、ミラーの、伝える使命感とシンクロする。それでも戦場に編集長から下着を送られて感謝したり、軍服が支給品でなくサヴィル・ロウの特注品だったりするのは、さすが元VOGUEのモデル! 胸のWAR CORRESPONDENTは従軍記者のマーク、後半は第83歩兵師団(イラスト参照)に所属していた。当時の女性戦場カメラマンとしてはLIFE誌のマーガレット・バーク=ホワイトがいるが、ミラーが知られていないのは自身で過去を封印していたからだ。彼女の写真を掲載していたのは女性ファッション誌VOGUE(英国版)だったのも驚き! ちなみに1991年に横浜美術館で写真展も開催されている。
25/4/28(月)