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現代の名人芸を追い続けて
山本 益博
料理評論家、落語評論家、プロデューサー
鈴本演芸場 5月中席
25/5/11(日)~25/5/20(火)
鈴本演芸場
主任(トリ)が春風亭一之輔で、中席のタイトルに「一之輔のこんなニンジョウ噺いかがですか?」とつけられている。 昨年、やはり鈴本の定席のトリを務めた一之輔を聴きに出かけたとき、その晩の演目が十八番の『初天神』だった。ところが、親子で天神様へお参りに出かけながら、サゲにつながる親父の凧揚げはなく、団子屋の場面から御白州の裁きの場面に移っていった。 つまり『初天神』の後日談というわけで、一之輔の創作。噺の展開は荒唐無稽な場面もあって、これが観客にバカ受けだった。 10日間の興行で、この噺『団子屋政談』が15日の演目としてネタ出しされている。 ちなみに、11日『文七元結』、12日『かんしゃく』、13日『刀屋』、14日『帯久』、15日『団子屋政談』、16日『心眼』、17日『万両婿』、18日『たちきり』、19日『水屋の富』、20日『唐茄子屋政談』がネタ出しの演目。 通常人情噺と呼ばれることのない噺も混じっているが、『文七元結』『刀屋』『たちきり』『唐茄子屋政談』は聴きものである。
25/5/3(土)