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釣木 文恵
演劇ライター
『リプリー、あいにくの宇宙ね』ニッポン放送×上田誠(ヨーロッパ企画)
25/5/4(日)~25/6/8(日)
本多劇場、 高知県立県民文化ホール オレンジホール、 森ノ宮ピロティホール
もう第5弾となる「ニッポン放送×上田誠」のタッグによる公演、『リプリー、あいにくの宇宙ね』。ヨーロッパ企画が25周年を迎えた2023年、私は彼らの記念すべき旗揚げ公演『ところで、君はUFOを見たか?』の上映会に行きました。当時大学生であった上田さんが作・演出、いまも劇団員である諏訪雅さん、永野宗典さんによる二人芝居。そこにはもうすでに、今に至る上田作品の真髄が込められていて、驚き感動しました。すなわち、SFとユーモア。今作の舞台はUFOならぬ宇宙船で、キャストは11人いる、わけですが、上田作品の変わらぬ根幹と年月を重ねて進化した面白さが凝縮した舞台が観られるのではないか、と期待しています。佇んでいるだけでつい視線が吸い寄せられてしまう伊藤万理華さんは、きっと宇宙にあっても輝きを放つことでしょう。今作が初舞台となるシシド・カフカさんは、すでに宇宙が似合う雰囲気を備えています。前作『鴨川ホルモー、ワンスモア』から引き続き、男性ブランコとかもめんたるが出演するのも楽しみです(かもめんたるに至っては3作連続!)。そして野口かおるさんが宇宙でどんな爆発を起こしてくれるのかも楽しみです。
25/5/4(日)