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ドキュメンタリー評論のエキスパート
村山 匡一郎
映画評論家
バロウズ
5月9日に公開されるダニエル・クレイグ演じる中年の同性愛者の恋を描いた『クィア/QUEER』の原作者、ウィリアム・S・バロウズ。アメリカ文学ではアレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックと並んで1950年代のビート・ジェネレーションを代表する作家であり、『ジャンキー』や『裸のランチ』など彼の作品は、自伝的な要素が反映されていることで知られる。そんなバロウズの人生を追ったドキュメンタリーだ。同性愛者であり、ドラッグ中毒者であり、しかも妻を射殺したという驚くべき事件を引き起こしたバロウズの人生は謎めいているが、バロウズ本人が全面協力したという本作で謎のベールがはがされ、大いに興味をそそられる。なお本作の録音はデビューしたてのジム・ジャームッシュが担当。
25/5/8(木)