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水先案内人のおすすめ

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政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

かくかくしかじか

東村アキコの自伝的マンガの実写映画化。東村が「製作」として関わり、脚本にも参加。 東村をモデルにした「林明子」が高校時代からマンガ家として成功するまでを永野芽郁が演じ、彼女が通っていた絵画教室の教師「日高先生」を大泉洋が演じている。この師弟の物語だ。 日高先生は、いつも竹刀を持ち、「描け」「描け」と生徒を休ませないスパルタ教師。一方、技術的な指導はまったくしない。どうしてこんな人が恩師なのか。大泉洋が演じているので、そのスパルタの時代錯誤さがギャグになっていて、不快さが緩和されている。キャスティングの勝利。 中盤の美大時代は、試験や授業が面白い。このパートだけでも映画にしてほしいくらいだ。マンガ家になる前の投稿、編集者とのやりとりも、内幕ものとして面白い。デビュー前は当然、ひとりで描いていたが、プロになるとアシスタントを何人も雇うようになり、マンガも紙にペンで描くのではなくパソコン上で描くようになっているなどが分かる。 師弟の美談もさることながら、美大やマンガの世界を垣間見ることができる、「お仕事もの」として、よくできている。

25/5/8(木)

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