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劇団四季と宝塚と歌舞伎をこよなく愛する

原田 順子

演劇ライター

四季ファミリーミュージカル『王子と少年』劇団四季

3、4月の自由劇場公演を経て、現在は全国公演中の劇団四季のファミリーミュージカル『王子と少年』。5月25日には東京の文京シビックホールで公演が行われ、その後、6月7日に昭島のFOSTERホール、29日には練馬文化センターこぶしホール、7月6日には埼玉県富士見市のキラリ☆ふじみと、首都圏での公演が続きます。 『王子と少年』は、1967年にニッセイ名作劇場の第4作として初演されました。第1作の『はだかの王様』や『王様の耳はロバの耳』など3作目までは寺山修司さんが脚本を手がけましたが、4作目のこの作品は、当時、劇団四季の演出部に所属していた俳優の石坂浩二さんが、マーク・トウェインの原作をミュージカル化したものです。石坂さんは、テレビドラマへの出演など外部でも活動する傍ら、四季では演出助手を務め、脚本を書き、俳優として舞台にも立つという八面六臂の活躍ぶりでした。 16世紀のロンドンを舞台に、顔が瓜二つの王子エドワードと貧しい少年トムが、ほんのいたずら心で服を取り換えて入れ替わったことから起こる騒動を描いたこの作品には、外見に惑わされず、内なる真実を見抜いて、本当のことをはっきり口に出す勇気を持とうという、初演から変わらぬ強いメッセージが込められています。 今回の公演に際し、久しぶりに稽古場を訪れて、初日も観劇した石坂さんも、作品の出来に改めて太鼓判を押したこのミュージカルは、子どもたちだけでなく、大人の観客の心にも響くはずです。

25/5/11(日)

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