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高松 啓二
イラストレーター
サブスタンス
25/5/16(金)
TOHOシネマズ日比谷
ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにエリザベス・スパークルの名前が刻まれている。彼女はかつて人気絶頂だったが、年とともに忘れられていく。50歳の誕生日に、よりどころのエクササイズ番組も降板を告げられ、さらに事故に遭ってしまう。その時に謎の若返り医療“サブスタンス”を手に入れるが……。 エリザベス役をやりきり度がハンパないデミ・ムーアが演じる。彼女は若い女スーと入れ替わるのだが、その登場の仕方が想像以上にグロテスク! 入れ替わったスーとエリザベスは分身と母体という関係なのだが、完全な同一人物というワケではないようだ。経験値は同じみたいだが、人格は別なのか曖昧? 物語がすすむにつれグロさがどんどんとエキサイトしていき、とんでもないところまで行き着く。人気の証であるデカいカンバン、エロいエクササイズ番組、軽薄なプロデューサーの描き方など、若さと美への渇望とセレブ欲求を強烈に諷刺する。 デミは今年63歳、50歳設定のエリザベスは、ある意味デミの分身、スーはその分身になるのでキャスティング段階で“サブスタンス”はすでに始まっていたのかも?
25/5/9(金)