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ドキュメンタリー評論のエキスパート
村山 匡一郎
映画評論家
能登デモクラシー
25/5/17(土)
ポレポレ東中野
日本のあり方の大きな特徴に前例を乱さない習性と忖度がある。言い換えれば、慣れっことおもねりであるが、老若の世代に変わりはない。その特徴は、国政や自治体、会社など組織的な集団になるほど根強いものがある。ムラ社会と呼ばれる由縁だ。そんなムラ社会を、石川テレビの五百旗頭幸男監督は『裸のムラ』などで住民目線から描き出してきた。その彼が今度は能登半島中央に位置する穴水町にカメラを向けた。人口減少が続く過疎の町がどう生き残るのか。元中学教師で手書き新聞「紡ぐ」を発行する滝井元之さんたちに焦点を当てるが、そこに昨年元日の能登半島地震が発生、惨事に見舞われた町民や議会、役場の人々の姿を追っていく。穴水町が被災を含めて直面する状況は、日本の典型として必見である。
25/5/14(水)