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水先案内人のおすすめ

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社会を映しだす映画をわかりやすく紹介

池上 彰

ジャーナリスト、名城大学教授

能登デモクラシー

能登半島の中央に位置する過疎の町・穴水町。地元テレビや新聞の記者たちも、なかなか取材に来ることもない地方では何が起きるのか。 町長と前町長の露骨な町政私物化があっても問題にしない地方議会。町議会議員選挙での当選者に町役場からお祝いに酒券が配られながら問題にならないという弛緩した地方自治の現場を取材した石川テレビの番組の映画版です。 ここで地道に手作りの新聞を発行している元教師の滝井元之氏(80)の行動を追うドキュメンタリーですが、2024年1月に発生した能登半島地震をきっかけに、映画のトーンが変わります。町の復興に立ち上がる町民たちと、それに刺激されて動き出す町長と町議会。民主主義とは何だろうかを問いかけます。 監督は石川テレビの五百旗頭幸男氏。氏は以前、富山のチューリップテレビに在籍中、富山市議会の政務活動費不正問題を追った『はりぼて』(2020年)を監督して注目されました。石川テレビ移籍後も、地方のデモクラシーのあり方を粘り強く番組にしています。 メディアの監視がないと地方自治はどのように変質していくかを私たちに教えてくれます。

25/5/16(金)

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