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ピアノのスペシャリスト

高坂 はる香

音楽ライター

ミハイル・プレトニョフ ピアノ・リサイタル

指揮者としてたびたび来日し、その何回かに1回、ピアニストとしての舞台にも立ってくれるミハイル・プレトニョフさん。この6月の来日は、リサイタルをしてくれるそんな“ありがたいターン”です。しかも前半はベートーヴェンの「悲愴」と「月光」ソナタという名曲すぎるプログラム。“普通の演奏はこうだ”、“一般的にはこう解釈されている”という概念のはるか上のほうで生きている巨匠……この有名ソナタで私たちにどんな新しい世界、遠い星の何かを見せてくれるのでしょうか。 後半はグリーグの「抒情小品集」からプレトニョフさんセレクトでいろいろな作品番号の作品、つまりさまざまな年代の小品が集められたプログラム。タイトルを眺めていると、せつなかったりなつかしかったりするものが並ぶようなので、聴けば一つのストーリーが見えてきそう……ただなにしろ想像の上を行くプレトニョフさんなので、実際に聴いてみないと何を意味しているのかはわかりません。 今回もお気に入りのShigeru Kawaiで特別な音を聴かせてくれることでしょう。

25/5/27(火)

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