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日本映画の新たな才能にフォーカス
イソガイマサト
フリーライター
かくかくしかじか
25/5/16(金)
TOHOシネマズ日比谷
「海月姫」「東京タラレバ娘」などで知られる人気マンガ家・東村アキコの自伝的コミックの映画化。漫画家になりたい女子高生・明子と恩師の絵画教師・日高との9年間にわたる日々を描いた本作は、東村が脚本に参加したこともあって、リアルな描写とコミカルなタッチのバランスが絶妙で、明子に扮した永野芽郁と日高役の大泉洋の息もピッタリだ。 竹刀片手に「描け! 描け! 描け!」と怒鳴り散らすだけの日高を大泉が温もりと優しさを感じさせるキャラにしているのも流石だし、共演陣もほかでは見られない人物を快演! 明子の父親を演じた大森南朋のはしゃぎっぷりと明子の親友・北見に扮した三上愛のクール過ぎる物言いには思わず笑ってしまった。 だが、描かれるのは多くの人が経験したり、これから経験するような普遍的な青春ストーリー。漫画家になりたいという憧れだけが先行していた明子は、美大に入ったものの怠けて絵を描かなくなり、描きたいものすら分からなくなってしまう。そんな彼女が、現在のあのポジションにまで駆け上がることができたのは何故なのか? 日高との深い絆を通してその真実を見つめ直し、大切なことを教えてくれるから、特に目標を見失っている人には大きな気づきをもたらしてくれるはず。いい映画です。観ないのは勿体ない!
25/5/21(水)