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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

国宝

吉田修一が4年の歳月をかけて書き上げた渾身の大作を、李相日監督が壮大なスケールで映画化。任侠の家に生まれながら歌舞伎の世界に身を投じた喜久雄(吉沢亮)と、名門に育った俊介(横浜流星)。血筋も才能も異なる二人の芸と人生が交錯する50年の物語は、まさに日本映画の粋。174分という長尺も一瞬たりとも緩むことなく、緊張感と美しさに満ちた映像世界が続く。本来、歌舞伎を描くなら松竹が手がけるべき題材だが、それを東宝が実現させた点に驚きとともに複雑な感情も。名優陣による魂の演技、美術と所作指導の緻密さも圧巻。スクリーンでこそ体感すべき、今年最高峰の日本映画。まさに“国宝”級の傑作だ。

25/5/27(火)

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