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水先案内人のおすすめ

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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

REVENGE リベンジ

『サブスタンス』が話題のコラリー・ファルジャ監督の長編デビュー作。何故、『サブスタンス』が生まれたのか。何故、あのラストを選んだのかが、本作を観ると理解出来る。まさに対をなす映画なのだ。16歳から映画制作を志した彼女に影響を与えたのが、ジョージ・ミラーの『マッドマックス』シリーズや、ロバート・ロドリゲスの『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、『ランボー 怒りの脱出』と言う。 本作を観ると、それらのオマージュといえる描写の連続だ。ただし明らかに違うのは、女性軽視する男性社会への怒りをモチーフにしている点だ。しかもバイオレンスアクションやバイオレンスホラーというジャンルは、男性監督のものというイメージが強く、観客も男性が多い。だから監督自身も不快な思いをしながら夢を諦めなかったのではないだろうか。本作には、そんな感情が浮き彫りになるセリフや行動心理が詰まっており、このジャンルも好む私自身は、理想の展開に目を輝かせた。 確かに『サブスタンス』も本作もフェミニズム映画だ。ただし、大前提としてコラリー・ファルジャは「特殊造形」が好きなバイオレンスホラーを愛する女性の監督だった。女性も若くて美しい女性が好きでいいし、グロテスクな描写も好きでいい。けれど若さを失っても否定しないで欲しいと怒りから生まれたのが『サブスタンス』だ。コラリー・ファルジャは、「女性にはスプラッター映画やバイオレンス映画は撮れない」と否定する社会に怒りを感じているのだろう。「バカで可愛い女が最高」と言い続ける男性たちにも向けられた『REVENGE リベンジ』と『サブスタンス』は女の怒り二部作だった

25/5/28(水)

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