英国の巨匠リチャード・エアの演出は、いまや上演10年を超えるMET評判の舞台の一つ。物語を1930年代の第2次大戦前夜に設定することで、たそがれ行く旧体制の物語背景が現代人にも理解しやすいものになっている。 歌手陣では伯爵夫人を歌うフェデリカ・ロンバルディに注目。高貴な声と美貌のイタリア人ソプラノは、まだ30代半ば。すでにウィーンやロンドン、そしてMETに進出し鮮烈な印象で客席を魅了している。 ほかにテキサス生まれのバリトンでフィガロを十八番にしているマイケル・スムエルやMET初登場の指揮者ヨアナ・マルヴィッツなど聴きどころがたくさん！ 超有名なオペラだが、公演の度に新鮮なのが、名作たる所以だろう。

25/5/30(金)