評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
落語、講談、浪曲など演芸全般をカバー
長井 好弘
演芸ジャーナリスト(元読売新聞編集委員)
文三満腹飯店4
25/6/24(火)
ばばん場
上方落語の爆笑派・桂文三の東京独演会。主催の吉田食堂は、東京落語の実力派を上方に招いて地道に会を開き、「吉田のおすすめなら間違いなし」と評判を得た〝目利き〟である。その活動の逆バージョン、つまり上方落語の精鋭を東京の落語ファンに紹介する会が「満腹飯店」というわけだ。2023年から年に2回のペースで催されており、今回が4回目。「食いしん坊」で知られる文三は、食べ物の出てくる落語はもちろんだが、食べ物以外、どんなテーマの落語でも「美味しく」仕上げてくれる。文三の落語が「うまそう」に感じるのは、彼の笑顔によるところが大きい。丸い顔をさらに丸く、細い目をさらに細くして満面に喜びを発散する。そんな文三の幸せそうな顔を見れば、満腹になること疑いなしだ。
25/5/29(木)