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現代作曲家の立場で分かりやすく紹介
三枝 成彰
現代作曲家
シアター・デビュー・プログラム 虫めづる姫君
25/6/20(金)~25/6/21(土)
東京文化会館 小ホール
東京・上野の東京文化会館が行っている〈シアター・デビュー・プログラム〉は、小学生・中学生・高校生に向けての企画。毎回、クラシック音楽の演奏家と他のジャンルのアーティストがコラボレートしたオリジナルの舞台作品を、すでに子ども向けのコンサートやワークショップに参加したことのある若い人たちへ、本格的な“劇場デビュー”の経験をしてもらおうと考えられた意欲的なプログラムです。 今回、6月20日(金)・21日(土)に同会館の小ホールで予定されているのは、小学生向けの「虫めづる姫君」。「虫めづる姫君」といえば、日本の古典文学である「堤中納言物語」の1エピソード。とにかく虫が大好きな姫君と、その周りの人間模様を描いた物語ですが、2022年にクラシック音楽と舞踏のコラボレーションで初演され、高い評価を受けた作品。お姫様にありがちなお花や蝶ではなく、虫を愛するがゆえに身だしなみもまったくかまわない姫に、両親や侍女たちが困り果てていました。その姫に興味を持ったある貴族が、カラクリ仕掛けの蛇をプレゼントしました。さて、何が起こるのか? 演出・振付・姫君役は舞踏の世界で活躍されている我妻恵美子さん。音楽監督・作編曲・ピアノは加藤昌則さん。台本はペヤンヌマキさん。美術は松生紘子さん。衣裳は武田久美子さん。ほかの出演は、侍女・虫の精役に三宅理恵さん(ソプラノ)、侍女・虫・殿方役に塩谷智司さん、鯨井謙太郒さん(舞踏)、上野由恵さん(フルート)、濱崎由紀さん(クラリネット)、笹沼樹さん(チェロ)。 こんなユニーク作品を入口にしたら、お子さんたちは劇場という空間やそこで生で演じられる歌や音楽やダンスにますます興味が湧いて、「他の舞台も観てみたい!」と思うのではないでしょうか。
25/6/11(水)