30年前の地下鉄サリン事件で日本を震撼させたオウム真理教。教祖の麻原彰晃こと松本智津夫の三女として生まれ、事件当時12歳だった麗華。その後、家族バラバラになり、麻原の娘であるゆえ住居を転々とする。そんな麗華が34歳になった2018年から追ったドキュメンタリーだ。保険金殺人で弟を殺された被害者家族との対話から始まるが、その年の7月、松本智津夫をはじめオウム真理教の13人の死刑が執行。社会からの非難を背景に大学進学もままならず、国からは教団幹部と認定されて自由な生活も困難な日々が知れるが、彼女のキャラクターは冷静だが明るい。加害者家族はどうあるべきなのか。ただ非難して村八分にする国家や社会で良いのだろうか。今日の日本社会のあり方を問いかける映画である。

25/6/11(水)