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インディペンデントで見逃せない作品を

水上 賢治

映画ライター

年少日記

本作が描くのは、高校教師・チェンのおそらく生涯にわたって忘れることはない“後悔”と、一生消えることもなければ癒えることもないであろう“心の傷”だ。 当事者でありながら、傍観者となってしまい、あることを見過ごしてしまった、いや見て見ぬふりをしてしまったチェンの抱える苦悩と苦痛は自身につきまとう。その苦しみと痛みがひしひしと伝わってくる。そういう意味で、本作はかなりの痛みを伴う。ただ、不思議とどんよりと沈んだ気持ちにはならない。それは、人として失いたくない、忘れたくはない、感じたい痛みでもあるからかもしれない。 また、本作は、去り逝く人を悼む映画でもある。奇しくも、同時期に公開となる『舟に乗って逝く』と『親友かよ』もまた人を悼む、大切な人の弔いがひとつのテーマ。いずれの作品も人の命の尊さに言及し、相手に敬意を払わない言動や人を貶める誹謗中傷が横行し、どこか命をないがしろにするような風潮が高まる今の社会に対し、大切なメッセージを届けてくれる。併せて観てはいかがだろうか?

25/6/12(木)

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