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演劇鑑賞年300本の目利き

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

ミュージカル『ブラック・ジャック』

坂本昌行(53)があの悪名高いダークヒーローに? 天才漫画家・手塚治虫先生の名作群の中でも人気がある超個性的な代表作の一つが『ブラック・ジャック』だろう。当方は、多彩なジャンルを広げる坂本は、実は優秀な舞台俳優だ、と思っていて、主人公のジャックをなんとミュージカルで演じるのだから、こいつは見逃せない。 坂本自身はこう語っている。「より個々のキャラクターが人間味溢れる作品になると思います」。まさに本名・間黒男の主人公は黒いコートがトレードマーク、顔だけでなく全身に傷だらけのツギハギ男。でも、天才的な技術を持つ外科医だ。 次に、味方良介が扮する医師ドクター・キリコは安楽死が専門で死神と呼ばれる。片目に眼帯、こけた頬、長い白髪。 ジャックの助手ピノコは矢吹奈子が演じる。この女性も、双子の姉の体内に18年もいた畸形に生まれたが、ジャックの手によって人工の身体を得ている。おかっぱ頭と4つのリボンがトレードマークだ。──と、まあ、なんというユニークな登場人物だろう。 この他、極度の拒食症という謎の女優・真理子に大空ゆうひ、真理子の叔父で医師の白川が今井清隆。さらにスタッフが充実している。演出の栗山民也、美術の二村周作、照明は勝柴次朗、衣装は前田文子、音響が山本浩一。トップクラスの支えによって描く人間の命の尊さ、価値、そして生と死、再生。坂本昌行は唯一無二のブラック・ジャックを作り出すだろう。

25/6/17(火)

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