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クラシック業界ご意見番
東条 碩夫
音楽評論家
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2025 歌劇『さまよえるオランダ人』
25/7/19(土)~25/7/27(日)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
“ワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』上演” 人気の「佐渡オペラ」━━佐渡裕が指揮するこのホールのオペラ・シリーズは、毎年数回の上演がすべて満席に近くなるという、驚異的な人気を集めていることでも知られている。その「佐渡オペラ」が、今回初めてワーグナーの作品を取り上げた。悪魔の呪いを受けて七つの海を彷徨う幽霊船の船長オランダ人を主人公にしたオペラで、序曲をはじめ、海と嵐の雰囲気を彷彿とさせる音楽にあふれている。 演出はミヒャエル・テンメで、2018年にここで演出したウェーバーの「魔弾の射手」では、基本的にはストレートな舞台ながら、怪奇な雰囲気も巧く出していたから、期待していいだろう。 全7回の上演、まずは佐渡裕がどんなワーグナーを聴かせるかに注目しよう。歌手陣はダブルキャストだ。主役のオランダ人船長をヨーゼフ・ワーグナーと髙田智宏、彼を救済する少女ゼンタをシネイド・キャンベル・ウォレスと田崎尚美、彼女の父親であるノルウェー船長ダーラントをルニ・ブラッタベルクと妻屋秀和が分けて歌う。
25/7/9(水)