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アニメも含め時代を象徴する映画を紹介

堀 晃和

ライター(元産経新聞)、編集者

映画「F1(R)/エフワン」

映画はスマホでも観られる時代になったが、劇場に行く理由は何か。大スクリーンで迫力ある映像や音響が体験できるからだが、言葉を足すと、作品世界に一層「のめり込める」からだろう。最近よく聞く「イマーシブ」=「没入感のある」は映画を楽しむ上で欠かせない要素になっている。 ブラッド・ピット主演『F1/エフワン』はハイレベルのイマーシブ体験が堪能できる。観客は、時速300km超のF1マシンを運転している気分になって、たっぷりスリルを味わえる。緊張の場面が迫ると、身体に力が入り、床を無意識に踏みしめているだろう。 F1のレジェンドたちと渡り合い、天才ドライバーと呼ばれたソニー(ブラッド・ピット)は年齢を重ね、再びサーキットに戻ってきた。呼ばれたのは、才能豊かなルーキーがいながらも勝てない弱小チーム。型破りなソニーのふるまいが、やがてチームの意識を変え……。 大ヒット『トップガン マーヴェリック』(2022)のジョセフ・コシンスキー監督が描くレースシーンは刺激的だ。レース中継では映し出されない細部にカメラを向け、現場の熱狂に誘う。推したいのはブラピの演技。微笑、苦笑、苦悩……。アップで映る大スターの表情、仕草を眺めるだけで幸せだ。

25/6/27(金)

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