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笠井 信輔
フリーアナウンサー
雪風 YUKIKAZE
25/8/15(金)
今見るべき令和時代の戦争映画。正直、最初は古めかしい「王道の戦争映画」かと感じていたが、これは戦闘を見どころにしている映画ではなかった。激しい戦闘シーンになっても、観客を煽るような音楽(BGM)が一切流れないのだ。 「生きて帰る」ことが恥とされた時代に、史実として、「生きて還す」ことに尽力していた駆逐艦が「雪風」だ。自分たちの命を削ってでも仲間の艦(ふね)の全員の命を救おうとしていた。「手を伸ばせ」。その言葉が繰り返されるとき、涙がとまらなくなった。 実は「ゴジラ-1.0」の最終決戦にも「雪風」は登場する。なぜ戦後、あの艦が残っていたのか? この映画にその答えがあった。フィクションとノンフィクションがつながった。
25/7/6(日)