バーミンガム市響のソリストとしての来日にあわせて急遽行われることになったという、イム・ユンチャンさんのリサイタル。演目はバッハのゴルドベルク変奏曲…これはユンチャンさんがクライバーンコンクールに優勝した直後（当時18歳）の記者会見で、副賞のマネジメント契約3年間のなかで取り組みたいレパートリーを聞かれて即答し、周囲をざわつかせた曲目です。つまり彼が近いうちに絶対に弾くと心に決めていた作品であり、間違いなく特別だということ。その演目が日本でも披露されることになって、大変うれしいところです。 今年21歳になったユンチャンさん。今この音楽の宇宙のような作品に取り組むということは、きっと歳を重ねてからも何度も演奏しようと考えているはず…その時と聴き比べるために、今の演奏を聴いておく楽しみもあります（自分の歳を考えると、さすがにユンチャンさんが80歳とかになったときの演奏は聴けなそうですが！）。 クライバーンに優勝して一躍スターとなった彼がどんな道を歩もうとしているのか、くっきりと見えてきそうなレパートリー。ぜひ聴いておきましょう。

25/7/2(水)