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ジャンル横断、センスのいいセレクト

立川 直樹

プロデューサー、ディレクター

ゴッホ・インパクト―生成する情熱

箱根のポーラ美術館で開催される展覧会には外れがない。5月31日にスタートした開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホをテーマにした展覧会も見事な構成と展示で、映画を観ているような感じで2時間近くたっぷりと楽しめる。ただ「ゴッホ・インパクト──生成する情熱」というタイトルだけでは、どんなものかわからないと思うので、全部の章を紹介しておきたい。(1)ゴッホとその時代 (2)フォーヴィズムと表現主義 (3)日本におけるインパクト-『白樺』を中心に (4)日本人によるゴッホ巡礼-オーヴェル=シュル=オワーズ (5)芦屋の《向日葵》(6)戦後の「ゴッホ・ブーム」 (7)福田美蘭 (8)森村泰昌 (9)桑久保徹 (10)フィオナ・タン これで少しは想像がつくと思うのだが、この展覧会はよく出来たオムニバス映画のようであり、ゴッホの言葉やゴッホに魅せられたアーティストたちの言葉は字幕のように見える。得難い体験ができる。同時開催されているライアン・ガンダの展覧会も中々いい。

25/7/10(木)

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