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浦島茂世
美術ライター
黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―
25/6/21(土)~25/8/17(日)
渋谷区立松濤美術館
渋谷にある《忠犬ハチ公像》の初代作者、安藤照の没後80年を記念する展覧会。じつは現在渋谷駅にあるハチ公像は2代目。安藤照が1934年に作ったハチ公像は、第二次世界大戦の金属類回収令で供出され、1945年8月14日に溶かされてしまっている。また、安藤照自身も1945年5月の「山の手空襲」で死去。そんな事情があり、現在のハチ公像は1948年に安藤照の息子、安藤士によって作られたものだ。本展はそんな《忠犬ハチ公像》に関する話題はほんの一部で、安藤照自身の芸術家の道のりを丁寧に辿っていく。安藤が手掛ける人物像や動物像はどれも魅力的で、とくに鳥やうさぎのかわいいことといったら! 安藤とともに戦前に活躍した彫刻家たちの作品も充実していて見応えたっぷり。
25/7/9(水)