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上野 紀子

演劇ライター

『泣くロミオと怒るジュリエット2025』Bunkamura Production 2025

舞台は戦後の関西のとある港町、台詞はオール関西弁、でもストーリー展開はしっかりシェイクスピアの悲恋の名作がベースになっている、鄭義信さんの脚本・演出による“異色のロミジュリ”が歓喜の再登場です。2020年の初演は東京公演の終盤と大阪公演がまるっと中止になってしまったので、悔し悲しい思いをされた方も多かったことでしょう。ゆえに桐山照史さん&柄本時生さんの“ロミジュリ”初演カップル続投は嬉しい限り。はい、オールメール(全員男性)キャストなので時生さんがジュリエットに扮します。吃音に悩む真面目な青年ロミオと気は強いけど一途に彼を思う乙女のジュリエット、このふたりの純愛模様が、笑いと涙と社会への怒りを直球で届ける鄭義信ワールドで痺れるほどに炸裂するんですね。原作とは違う、ビターなラストも注目必至。「時生がどんどん可愛く見えてくる」という桐山さんの言葉にきっと頷けるはず。

25/7/8(火)

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