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春日 太一
映画史・時代劇研究家
BAD GENIUS/バッド・ジーニアス
25/7/11(金)
新宿バルト9
タイの同名映画のリメイク作。貧しい家に生まれながらも成績優秀なために進学校に入学できた女子高校生が、同級生のためにカンニングをビジネスにしていく──という展開は変わらない。 ただ、オリジナルを未見の方はもちろん、既にご覧になっている方にもオススメだ。 カンニングをめぐるスリリングな緊迫感はオリジナル版に全く劣っていないし、約30分以上も上映時間が短い分、テンポはさらに良くなっている。それでいて、内容的には全く薄まっていないのだから素晴らしい。 大きいのは、オリジナル版にもあった貧富の差の問題に加えて、人種や移民の問題もドラマの中に自然と盛り込まれている点だ。そのため、作り手のアメリカの現状に対する怒りがストレートに伝わってきて、展開がより熱く盛り上がることになった。 主演のカリーナ・リャンも素晴らしい。知的で凛々しさの中に千変万化の感情をキュートに表現。その一挙一動を応援したくなるような魅力に満ちていた。
25/7/13(日)