評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
私たちが光と想うすべて
25/7/25(金)
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
都会の光には様々なものがある。車窓の光、パレードの光、高層ビルの窓の光。大都市ムンバイの夜に輝く光は物質だけとは限らない。その中にはほのかな愛情や苦悩、友情の光も心に瞬いている。ドイツの工場へ行ったきりの夫の帰りを待つ主人公の女性。言葉少なで控えめだが、看護師として若い女性たちをリードしている。同居している部下の娘は、ムスリムの青年と恋愛中で、ただここにある愛に熱中して先のことを考えないようにしている。 都会の光は人を狂わす。だから去っていく者も多い。病院の古株の仲間は住居問題で立ち退きを余儀なくされる。人妻は思いを寄せてくる男性に、ほんの少しときめきを覚えるものの、夫を裏切る気はない。 三人の女性が行く海。死者か生霊かわからないものを呼び寄せる海。人の魂の声も光。
25/7/17(木)