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インディペンデントで見逃せない作品を
水上 賢治
映画ライター
私の見た世界
25/7/26(土)
シアター・イメージフォーラム
俳優という表現者としての凄みは、『遠雷』や『サッド ヴァケイション』、あるいは『ポテチ』など、いくつもの作品で感じてきた石田えり。だが、映画監督という表現者としてこんな才能を秘めていたのかと驚きを隠せない。ほぼほぼ主人公の目線の先に映るもののみで語るという大胆な試みは、否応なく犯罪を犯し逃亡する女性の存在そのものを体感させる。 また、彼女の視線の先に映る人間を演じた俳優たちの演技もすばらしい。目は口ほどにものを言うとは、まさにこのことではないか。哀れみ、疑念、確信など、彼女を見る目が豹変する瞬間を的確に演じて、その眼差しが物語るものがひしひしと伝わってくる。 石田えりというすばらしい映画監督が現れたことを喜びたい。
25/7/28(月)