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時代と向き合う映画を鋭い視点で紹介
佐々木 俊尚
フリージャーナリスト、作家
ランド・オブ・バッド
25/8/15(金)
TOHOシネマズ 日比谷
敵だらけの土地にひとり取り残された新米兵士を救助するという、典型的な戦争アクション。ところがそこに、現場周辺を旋回しミサイルを装備するドローンと、米本土の基地からそれを操る操縦士という要素を加えたことで、今までにない奥深さを備えた作品に昇華した。ドローンと連動する現代の戦争とはこういうものかと学びがあるのと同時に、戦場の迫力たっぷりな緊迫感と、けだるい米基地の日常が交互に描かれているのが秀逸。兵士が窮地に陥り、中年太りのラッセル・クロウ演じる操縦士が必死で助けようとしているときに、後ろのドアが開いて「スタバいる?」と同僚が声をかけるのとか、実にリアルである。考えさせられると同時に、単純に非常に面白く楽しめる。
25/8/4(月)