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ドキュメンタリー評論のエキスパート
村山 匡一郎
映画評論家
クンストカメラ
25/8/9(土)
シアター・イメージフォーラム
「クンストカメラ」とは「驚異の部屋」という意味。チェコの映画作家ヤン・シュヴァンクマイエルが亡き妻で画家のエヴァと収集したコレクションをプラハ近郊の村にある古い館の倉庫に収めた部屋のことを指す。映画はヴィヴァルディの音楽を重ねながら(時折、足音が聞こえるが)、ナレーションもなく「驚異の部屋」に陳列された古今東西の珍品や博物品をカメラでひたすら撮っていく。アフリカの民族的な彫刻、奇怪な動物やその骨組み、アルチンボルド風の人物像や事物像、悪魔や死神の絵画、カリカチュア絵画(日本の浮世絵の春画もある)など。その奇抜で幻想的な作品群の膨大なコレクションには驚かされるが、シュールな映画世界を創造するシュヴァンクマイエルの頭の中をのぞき見るようで面白い。
25/8/8(金)